技術紹介

不思議歯車減速機について

 当社のマイクロアクチュエータは、駆動源となるモータと、
モータの出力回転数を減速する減速機で構成されます。
 減速機は、一般的に知られている遊星歯車とは原理が異なる不思議歯車方式を採用しております。
 この不思議歯車減速機は、岩手大学の金型及びトライボロジー技術を応用して開発した、モジュール0.1以下の超小型・高寿命のプラスチック歯車で構成されていることを特徴としております。図1は、当社Φ6マイクロアクチュエータに用いている、モジュール0.066のプラスチックマイクロ歯車の例です。

図1 当社減速機に用いている歯車

不思議歯車の原理

 不思議歯車減速機(3k型と呼ばれる)は、モータの出力軸と一体で回転する太陽歯車と、その周りを自転しながら公転する遊星歯車と、遊星歯車かみ合う2つの内歯車で構成されています。2つの内歯車の一方は固定とし(固定内歯車)、他方は出力軸と一体で可動として構成され(可動内歯車)、2つの内歯車の歯数を変えることによりその差分で大きな減速比が得られる差動歯車の一種です。歯数の違う内歯車は、転位させることにより、同じ遊星歯車にかみ合わせることができます。図2に不思議歯車減速機のスケルトンと速度比の計算式(Zはそれぞれの歯車の歯数)を示します。

図2 不思議歯車減速機のスケルトンと速度比

当社不思議歯車減速機の特徴

@ 小型・高分解能・低価格
・金属歯車の場合、Φ5以下の内歯車の切削加工は極めて困難ですが、精密金型技術を用いたプラスチック成形加工により、小型化の加工限界をブレークスルーしました。
・不思議歯車方式は1段で1/100程度まで減速することが可能なため、従来の多段式遊星歯車方式(1/100程度にするには3段必要)に比較して部品点数が少なく、小型・高分解能でありながら低価格を特徴としております。

図3 不思議歯車減速機の構成

A セルフロック機能
・不思議遊星歯車減速機は、出力軸側から回転しないので、待機時にモータの通電をOFFにしても位置を保持可能で、省電力に優れています。
B 耐環境・クリーン性
・プラスチック歯車減速機は、オイルやグリス等の潤滑剤を使用していないので、クリーンな環境やオートクレーブ対応等、特殊環境下での使用に優れています。

 

 図4に当社不思議歯車減速機と他社の多段式歯車減速機の構造図を示します。
 当社不思議歯車減速機は構造特許を取得済み(特許4146852号)です。 図4 当社と他社の減速機の構造比較


当社マイクロアクチュエータの用途例


@ 各種光学機器
・一眼レフカメラレンズのオートフォーカス機構に用いられています。オートとマニュアルフォーカスをスイッチ無しで切り替え可能なフルタイムマニュアル技術です。(特許出願中) ・測量機のシャッタ、絞り機能に用いられています。精密な光量調整や高速のシャッタリングを特徴としています。
A 流体制御機器
・流体制御のバルブに用いられています。不思議歯車方式のセルフロックの特徴により、電気をOFFにしてもバルブの開閉量を一定に保持することで、低消費電力で精密流量制御が可能です。(特許出願中)
B 医療・バイオ機器
・分析装置のマイクロピペットに用いられています。当社マイクロアクチュエータを使用することで、ピペットを9mmの標準ピッチで直列に配置し、それぞれのピペットを独立して制御することができるため、微量・精密に薬液を吸入・排出する多連独立分注器に使用することが可能です。(特許出願中)
・医療・動物への精密薬液投与装置として用いられています。当社マイクロアクチュエータによるマイクロシリンジ・ポンプ・バルブにより、小型・精密に薬液を投与することが可能です。

図5 一眼レフカメラレンズ

図6 独立8連分注機

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